キッチンおじさん(閉店)

日記

キッチンおじさん。キッチンに立つおじさんではなく、そういう名前の店があります。 その日はカレーが食べたい気分だったので、店の名前も面白いキッチンおじさんに行くことにしました。700円なのにサラダやコーヒーも付いているなんて、けっこう良心的です。

出てきたカレーはサラっとしていて、エリンギなどが入ったちょっとスパイシーなカレー。おいしくいただいた後にホットコーヒーを出してもらいました。口の中にカレーの辛さがほんのり残った状態で飲むホットコーヒーのうまさは格別。喫茶店でカレーを注文するときはこの瞬間も楽しみの一つです。

ところがこのコーヒー、ここ数年味わったものの中でも確実に上位に食い込むおいしさ。ほどよい苦味とすっきりした後味。飲んだ後に吸い込む空気が香りの余韻を引き立てます。興味が沸いたのでテーブルの端にあるコーヒー豆の説明を読んでいると「コーヒー好きなの?」とおじさんが話しかけてきました。そこでコーヒー談義が盛り上がっていろいろ教えてもらったので書いておきます。

  • キリマンジャロやグァテマラのような火山土壌で採れるコーヒーは酸味がある。
  • たとえブラジル産であっても土地が酸性ならやっぱり酸味のあるコーヒーになる。
  • 市販のコーヒー豆は安いもので8~10%、良い物でも4~5%は悪い豆が含まれている。
  • 豆の選別は人の目でやるしかないので手間がかかる。
  • 店で豆挽きを頼むと悪い豆も一緒に挽いてしまうので味が落ちる。
  • どんな豆でも実際の賞味期限は2週間前後。新しい方が断然おいしい。
  • 豆は回転の良い店で、一度に大量に買わず、すぐに飲んでしまえる分だけ買うのがよい。
  • 豆の中心には胚があって、これが後味の悪い苦味の原因。
  • 胚は豆より軽いので、お湯を注ぐと浮いてきてフィルターの周囲に張り付く。
  • だからフィルターの端についた豆に再度お湯をかけたりすると胚の苦味まで出てしまうので良くない。
  • お湯は中心から注ぎ、一定の湯量でゆっくりと「女性を扱うように」回し入れる。
  • よい豆はお湯を注ぐと中心が膨れてくる。
  • 注いだお湯が全部落ちるのを待つと浮いてきた胚に多く触れたお湯まで落ちてきてしまうので、若干お湯が残っているあたりで止める。

そしておじさんは「実はもっとうまい入れ方があるんだけど…」とわざわざ厨房に招いて入れ方を見せてくれました。それは豆をいったん大きく粗挽きし、出てきた胚を吹き飛ばして取り除くという手間のかかる入れ方。「これをやると鼻の中とか黒くなっちゃうからあんまりやらないんだけどね。」おじさんは粗挽き豆を箱に入れて揺すりながら胚を丁寧に吹き飛ばしていきます。こうして胚をほとんど飛ばした後、その豆をもう一度挽いてお湯を注ぎます。このように二度挽きすると、どうしても細かくなりすぎた豆も出来てしまいます。これらはフィルタを通ってしまう恐れがあるのであらかじめ取り除きます。だからこの方法で普通と同じ量のコーヒーを入れようとすると1~2割りほど余分に豆が必要となるそうです。

時間も手間も豆量もかかる幻のコーヒー。その味はいままでに味わったことがないものでした。豆に含まれる自然の甘みが口の中に広がり、先ほど飲んだものよりもさらにすっきりとした後味。それでいて独特の深みがしっかり残っています。

こちらのコーヒー豆はキッチンおじさんのオリジナルブレンドだそうで、当然ながら他でも味わえない一品です。お近くにおいでの際にはぜひ一度味わってみてはいかがでしょう。ちなみに少しだけいただいたアイスコーヒーもすごくおいしかったです。

コーヒーといえば映画「コーヒー&シガレッツ」です。観ているだけでコーヒーが飲みたくなってしまい、普段あまり飲むことのないブラックを3杯も飲みました。ちなみに煙草もおいしそうなので禁煙中の方は観ない方がいいかもしれません。

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