暮らしの手帖

暮らしの手帖

吉祥寺に「百年」という素敵な店名の古本屋があります。センスを感じる品揃えで、前を通るたびについつい立ち寄ってしまう店の一つです。

その百年に最近、昔の「暮らしの手帖」が大量に置かれるようになりました。これが懐古主義者の心を直撃してやまないのです。 暮らしの手帖。名前こそ知っていましたが、今までほとんど読んだことがなく、主婦向けの雑誌かと思っていました。実際に読んでみると名前の通り暮らしに役に立つ内容で、売出し中の家電の比較や便利なグッズ、料理の紹介などもあって、とても充実しています。同種の雑誌は他にもありますが、紙面から伝わってくる雰囲気というか、誠意みたいなものが他とは一線を画しています。以下は初代編集長、花森安治さんの素敵なメッセージです。

これは あなたの手帖です
いろいろなことが ここには書きつけてある
この中の どれか一つ二つは
すぐ今日 あなたの暮らしに役立ち
せめて どれか もう一つ二つは
すぐには役に立たないように見えても
やがて こころの底ふかく沈んで
いつか あなたの暮らし方をかえてしまう
そんなふうな
これは あなたの暮らしの手帖です

それに加えて、百年にある1970~1980年代の暮らしの手帖はノスタルジーで、当時の暮らしぶりが手に取るように伝わってきます。写真はどこか趣深く、雑誌自体も最近の雑誌と違ってシンプルな構成で力があり、まるでデザイン関係の本のようです。これが古本ということで315円で売られているのですから黙っていられません。お金があれば全部買い占めてしまいたい気分です。

暮らしの手帖、そしてそれを扱う百年。どちらもおすすめです。