ハウルの動く城

映画

遅ればせながらようやく「ハウルの動く城」を観ました。「魔法」が存在する世界が、何の説明もなく、まるで当然のように冒頭から繰り広げられていくのですが、なぜかそこに違和感を感じないから不思議です。 今になって観た理由は2つあって、一つ目は最近やっとレンタル屋で借りられるようになったこと、そしてもう一つは映画館で観るのを避けていたからです。

ハウルが公開されるとき、広告がほとんどされませんでした。理由はプロデューサーの鈴木敏夫さんの談話で知りましたが、このことが自分に「観る人を選ぶ映画なのでは?」という不信感を抱かせました。映画代も馬鹿になりませんし、レンタルされるまで待つことにしました。

結局はこの判断が間違っていました。これは映画館で観ておくべき映画でした。簡単には理解できない難しさがありますし、そのことが評価を分けているのかもしれません。しかしそれを理解してみたいという気持ちにさせるほどの圧倒的な映像力と演出があります。結論を濁らせて終わるいじわるな映画とはまるで違う、温かみのある謎を残してくれます。

宮崎駿さんの映画を観終わると、結局あの方は何を言いたかったのだろうといつも首をかしげてしまうのですが、歳を追うごとに、それが(自分なりに)わかったりするから、彼の映画はやっぱり面白いのだと思います。彼は「映画は一度観て、あとは観たものを思い出して楽しむもの。何度も繰り返し観るものではない。」というようなことをどこかでおっしゃっていました。そして彼は実際にそういう楽しみ方ができる映画を作っています。自分は彼と同じ日本人に生まれて、彼の作り出す世界を存分に楽しむことができて本当にラッキーだと感じています。

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