StoryBookReader 誕生秘話

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前回、前々回と紹介してきました StoryBookReader。知りたい方はいないかもしれませんが、最終回ではこれを作ることになったきっかけを書いてみます。 StoryBookReader は作者も想像しないほど万能なツールになりました。偶然の産物といってよいかもしれません。

以前「 ばあちゃんが死んだ 」という作品を公開しました。ご覧いただければわかると思いますが、これにも StoryBookReader が使われています。しかし順番は逆で「 ばあちゃんが死んだ 」を作ろうと思っていたらこのツールができてしまったのです。

まず物語を作るにあたって、アニメーションにしようか、それともテキストベースにしようかといろいろ考えたのですが、どちらの才能もないし、それらの手段があまり自分らしくないと思いました。この作品はできるだけ自分らしい形で伝えたかったので、スライドショーを作って公開することにしました。

幸か不幸か、Flashのスライドショーツールが世の中には沢山あるということを知らずに作り始めてしまいました。自分の作品はできるだけ他と類似するものがないように心がけているつもりですが、バージョン1.0 が出来たときに調べてみて初めて知ったのでした。

作り始めてすぐに、物語には画像だけではなく文章も音も必要であることに気づき、やればやるほどド壷にはまっていったのでした。そしてやっと出来上がったものは、もはやスライドショーとは呼べない何かでした。あえて StoryBookReader と名付けましたが、この何かをなんと説明すれば理解してもらえるのか未だに悩んでいます。

ひとつだけ言えるのは、これは「つまるところを扱うツール」ということです。WEBサイトはつまるところ、画と音と文字で構成されています。今のところ匂いとか、触感とか、そういうものは伝達できません。いろんなWEBサイトがありますが、元をたどればこの3つを伝えているだけなのです。それらを本当にありのままに伝えることができるツールができたと感じています。

確かにホームページやブログでも同じことはできますが、閲覧するためにはそのページのインターフェース(操作)を学ぶ必要がありますし、作者の意図どおりに閲覧してもらえるとも限りません。StoryBookReader を使えば、作者は物語のように流れに沿ってページを見せることができますし、読者は複雑なインターフェースを学ばなくてもよくなります。WEBの創世記に戻ったといったら大げさですが、そのぐらいシンプルに素材を見せることができます。

たとえば料理。素材に力があればシンプルな方がおいしいと思いませんか。StoryBookReader はそんな料理を作りたい方の手助けになると思います。良い素材をお持ちの方はぜひチャレンジしてみてください。

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